基材とは

精油は大変濃縮されたものなので、原液をそのまま肌につけることはできません。
トリートメントなどで肌につける場合は、希釈することが必要です。また、直接肌につけないルームフレグランスなどを作る場合にも、水に溶けにくい精油をうまくなじませるために希釈する必要があります。それらの材料に使われるものを、基材といいます。
そしてその基材にもそれぞれ特徴があり、多くの機能や特性を持っています。


 基材の種類

★植物油(キャリアオイル)

代表的な基材が植物油です。キャリアオイル、またはベースオイルと呼ばれ、”キャリア”は「運ぶ」という意味です。
精油は植物油によく溶けます。ベビーオイルなどの鉱物油にも溶けますが、表皮を被ってしまい肌への浸透性に優れないので、アロマテラピーでは植物性のオイルを使用します。そのほとんどが食用にも使われる安全なものですが、食用として市販されているものは製造時の様々な加工を経ているので、使用できません。


 
 <トリートメントにおけるキャリアオイルの働き>
 ・細胞から酸化物質(毒素)を排出させます。
 ・血液やリンパ液の流れを促し、免疫機能を活性化させます。
 ・患部の苦痛を和らげます。
 ・神経系(自律神経、脳脊髄神経)の協調を促します。
 ・あらゆる排泄機能を活発にします。

それぞれの植物油の特徴については、「キャリアオイルの種類」をご覧ください。


★アルコール

精油はアルコールにもよく溶けます。
アルコールにもいろいろな種類がありますが、精油の香りをじゅうぶん楽しむためにはできるだけ匂いの無いものを選びます。また、可燃性の低いもの、肌につける場合は肌への刺激が少ないものを用います。
アルコールで希釈したものを、精製水や芳香蒸留水などでさらに薄めて肌につけるのが一般的です。

<無水エタノール(エチルアルコール)>
日本薬局方で指定された濃度99%以上のものが薬局で売られています。
香水やルームフレグランス、ローションなどを作るときに、精油を水に溶けやすくする基材として用います。また、精油が付着したアロマポットや容器などの洗浄にも使います。
揮発性で燃えやすいため、密栓して火気のないところに保管してください。

<ウォッカ>
ライ麦を原料にした無色無臭の蒸留酒です。アルコール度数の高いものほど、保存性が高くなります。


★水

精製水または蒸留水、ミネラルウォーターなどを用います。
ミネラルウォーターの中でもミネラル分の多い水(硬水)はスキンケアには向きません。また、水道水には塩素をはじめ多数の成分が含まれており、保存性も良くないので使用しません。

<芳香蒸留水(ハイドロラット)>
水蒸気蒸留法で精油を抽出するとき一緒に得られる水です。フローラルウォーターとも呼ばれます。一般に市販されているのは、ラベンダー、ローズ、オレンジ、ローズマリーなどです。
ほんの微量ですが、精油成分が含まれるので、香りと効能もあります。


★その他

<ビーワックス(蜜蝋)>
蜜蜂が巣をつくるときに分泌する液体のワックスです。歴史は古く、エジプト時代から使用されていた記録もあります。
キャンドルや、口紅やファンデショーンなど化粧品の原料として使われています。
皮膚を軟らかくさせるとともに、穏やかな抗菌作用もあるため、アロマテラピーでは軟膏やクリームを作るときに用います。

<カオリン・モンモリオナイト>
鉱物を主成分とする粘土です。吸収力、吸着力、被覆力に富むため、パック剤などに使われています。モンモリオナイトは、カオリンより使用感がマイルドです。
薬局や専門店で購入できます。

<グリセリン>
脂肪や油脂から採取される無色の液体です。保湿効果があり、ローション、クリームなどを作るときに利用できます。薬局で購入できます。

<カカオバター>
カカオの果実(カカオ豆)中の種子を、種皮を取り除いて煎り、圧搾または抽出して採取した油脂です。皮膚によくなじむので、軟膏やクリームの基材として使用されます。湯煎して融解します。

<塩>
シーソルトや岩塩などのミネラルを含んだ天然の塩は発汗作用があり、体内の毒素を排出させる効果などがあります。塩に精油を混ぜ、バスソルトとして用います。

<ハチミツ>
肌の炎症を鎮める作用をもち、パックの基材として用いられます。






 

   キャリアオイルの種類


★スィートアーモンドオイル

ビタミン、ミネラルなど栄養分に富み、ボディー用として最適です。古代ローマ時代に傷の手当てや皮膚に滋養を与えるために用いられていました。

保存期間:6ヶ月
匂い:多少有り
浸透:良い
備考:一般によく使用される。あらゆるタイプの肌に良い。抗ガン成分のB17を含有


★グレープシードオイル

ビタミン、ミネラル、たんぱく質が豊富。
きめが細かく、滑らかに浸透します。アロアテラピストに好まれています。

保存期間:6ヶ月
匂い:ほとんど無し
浸透:良い
備考:一般によく使用される。クレンジングと肌の調子を整える作用がある。最上級のドレッシングオイル。


★ヘーゼルナッツオイル

栄養を多く含み、若返り効果があるオイルです。

保存期間:6ヶ月
匂い:独特の香り
浸透:良い
備考:肌を保護するのでスキンケアの材料として使用(コールドクリーム、リップクリーム)。わずかに収斂作用がある。


★アボガドオイル

各種のビタミン、ミネラルや葉緑素などを豊富に含む栄養価の高いオイルです。香りが強いので精油とのブレンドには適しませんが、乾燥肌には有効でしょう。

保存期間:6ヶ月
匂い:独特の香り
浸透:良い
備考:保湿効果が大きい。(老化を感じる肌、荒れた肌、乾燥肌に良いでしょう)



★アプリコットカーネルオイル

滋養分に富むオイルです。

保存期間:6ヶ月
匂い:多少有り
浸透:普通
備考:フェイスケアに良い(敏感肌にも良いでしょう)。抗ガン成分ノビタミンB17を含有。


★ボリジオイル

あらゆるタイプの肌に良いでしょう。他の植物油に10%程度加えて用います。
ホルモンの分泌を調節するとともに神経系にも作用し、抑うつを緩和させます。若返り効果があるオイルです。

保存期間:6ヶ月(要冷蔵)
匂い:多少有り
浸透:良い
備考:特徴成分はy-リノレン酸。フェイスケアに良い。


★ローズヒップオイル

あらゆるタイプの肌に良いでしょう。他の植物油に10%程度加えて用います。
細胞の新陳代謝を促し、皮膚組織の損傷を回復して保護します。若返り効果があるオイルです。スキンケアに良いでしょう。

保存期間:6ヶ月(要冷蔵)
匂い:多少有り
浸透:良い
備考:特徴成分はy-リノレン酸。フェイスケアに良い。


★月見草オイル

あらゆるタイプの肌に良いでしょう。他の植物油に10%程度加えて用います。
ホルモンの分泌を調節し、消炎、鎮痛、抗アレルギー作用を持つ特殊なオイルです。若返り効果があるオイルです。

保存期間:6ヶ月(要冷蔵)
匂い:多少有り
浸透:良い
備考:特徴成分はy-リノレン酸。フェイスケアに良い。


★小麦胚芽油
(ウィートジャム)

天然の防腐剤(ビタミンE)のはたらきで酸化しにくく、血液循環を促進して老化を防ぎます。他の植物油に10%加えると、そのキャリアオイルはより長く保存できるでしょう。ただし、匂いが強くて重たいオイルなので、適量を守りましょう。


保存期間:1年
匂い:独特の香り
浸透:程々


★ホホバオイル

コラーゲンに似たワックスで、浸透力に優れ酸化しにくく、保湿力にも富むので全身用に使用できます。また化粧品などの基材としても利用できるので、キャリアオイルとしては理想的でしょう。

保存期間:1年以上
匂い:ほとんど無し
浸透:良い
備考:ヘアケアにも最適。





<マセレイテッドオイル
(侵出油)
植物をさらに他の植物油につけ込んで作られたオイルです。

★セントジョーンズワート油(セントジョーンズワート)

鎮痛、利尿作用があり、神経痛やリウマチ、打撲などの痛みを癒し、老廃物を取り去ります。

保存期間:6ヶ月
匂い:多少有り
浸透:良い
備考:特徴成分は配糖体、フラボノイド。


★カレンデュラ油
(マリーゴールド)

傷ついた皮膚、粘膜、血管を修復して保護します。

保存期間:6ヶ月
匂い:多少有り
浸透:良い
備考:特徴成分はビタミンA、フラボノイド。